北海道 十勝アルプス牧場

◆アニマルウェルフェアとは

家畜を私たち人間と同じように感受性のある生き物と捉え、できるだけストレスの少ない飼育環境を整えることがアニマルウェルフェアの基本的な思想です。アニマルウェルフェアの意識が高まったのは1960年代といわれています。イギリスのルース・ハリソンが著書の中で虐待に近い家畜飼育を批判したことから、大きな社会問題へと発展しました。

当初はヨーロッパと比べて、日本でのアニマルウェルフェアに対する意識の浸透率は低い状況でしたが、徐々に飼育方法の改善に取り組む畜産農家が増え始めます。現在では、2021年度に農林水産省が「アニマルウェルフェアに関する意見交換会」を開催するなど、アニマルウェルフェアを周知するための取り組みが行われているのです。

◆アニマルウェルフェアの基本原則

牛・豚・鶏などの家畜が飢えや喉の渇き、熱の不快さなどのストレスを感じることなく、正常な行動が取れる空間で生活できることが原則です。これまで、家畜は運動が思うようにできない狭い空間で飼われていることがほとんどでした。そのような家畜の生活状況を改善し、恐怖や苦悩、苦痛から自由にしてあげようというのが、基本となる考え方です。

◆アニマルウェルフェアのメリット

例えば同じ牛でも、狭くて身動きが取れないコンクリートの空間で育った牛と、放牧でのびのびと育った牛ではストレスの度合いが大きく異なります。ストレスのない環境で暮らすことで、病気のリスクなどが少なくなります。その結果、牛肉や牛乳の品質アップにもつながっていきます。

また、牛に与える飼料の多くは従来、海外からの輸入に頼ってきました。放牧することで牛たちは自由に牧草や干し草などを食べます。そのため、あえて飼料を与える必要がなくなり、濃厚飼料の割合を下げ、海外飼料を持ち込む必要もなくなるのです。
さらに、アニマルウェルフェアは牛や消費者に限らず、自然環境にも大きな影響をもたらします。放牧する際は放牧地をいくつかの区画に区切り、ローテーションで牛たちを移動させます。適度に土が牛に踏まれることで活性化し、糞尿を肥やしにして植物の生長も促します。

つまり、動物の福祉を重視することによって健康な牛を育てられると同時に、豊かな土壌を蘇らせるというメリットも期待できます。

十勝アルプス牧場は放牧畜産実践牧場認証第1号に加えて、アニマルウェルフェア認証農場（乳牛－9号）の認証も受けた牧場です。アニマルウェルフェアの観点に立ち、ストレスフリーで育てたブラウンスイス牛のおいしい生乳のみを使用した北海道アイスをご提供しております。子どもから大人まで召し上がっていただけるアイスは、ギフトとしてもおすすめです。